【企業比較】アクセンチュアとIBMに内定したので、違いを語る

就活

私は就活時代、アクセンチュアとIBMの違い・強み・企業分析に困った思い出があります。どちらも世界的なIT企業でかっこいいイメージはありましたが、具体的な違いが分かりませんでした。

しかし面接では、「ウチとアクセンチュアの違いは?」「ウチとIBMの違いは?」と頻繁に聞かれるので、就活生は2社の違いを理解しておかなければなりません。

ということで今回は、私がOB訪問や面接、内定の経験で得た2社の比較を紹介します。

アクセンチュアはソリューションエンジニア、IBMはITスペシャリストとどちらもSE系の内定だったのですが、コンサルや営業などの職種希望の方も参考になる部分があると思うので、ぜひ読んでみてください。

記事の内容
  • アクセンチュアの強み
  • IBMの強み
  • アクセンチュアとIBMの違い
  • 内定のためのアドバイス

企業概要

まずは、ごく簡単に、アクセンチュアとIBMの概要を抑えておきましょう。

ポイント
  • コンサル発のアクセンチュア
  • モノづくり発のIBM
アクセンチュアIBM
過去の業種監査法人アーサーアンダーセンのコンサル部門PCなどのハードウエアを作る会社
現在の業種コンサルからITソリューション開発までコンサルからITソリューション開発まで
技術研究・開発
従業員数
(2020年)
50万人
増加傾向
35万人
減少傾向
売上高
(2019年)
432億ドル771億ドル
純利益48億ドル94億ドル
利益率11%12%
日本法人
初任給
・戦略コンサル
5,509,000円
・ビジネスコンサル
4,300,000円
・デジタルコンサル
4,300,000円
・ソリューションエンジニア(SE)
3,238,000円
・戦略コンサル
4,902,000円
・デジタルビジネスコンサル
4,902,000円
・ITスペシャリスト(SE)
4,902,000円
・製品開発エンジニア
5,700,000円
・データサイエンティスト
6,007,200円

アクセンチュアの企業概要

上の表だけではわかりにくいので、企業概要について補足しておきます。

アクセンチュアでは、コンサルの方がIT開発よりも立場が上だと私は就活時代に感じました。

アクセンチュアの前進は監査法人アーサーアンダーセンのコンサル部門です。そこから独立し現在の「accenture」に至っています。初任給をみても、戦略>ビジネス・デジタル>>SEの順に評価されていることが分かります。

では「ITの開発力は弱いのか?」というとそうでもありません。

アクセンチュアの従業員数50万人のうち約半数がエンジニアと言われており、コンサルが獲得した案件に対してITソリューションを開発・提供する土台がしっかりとあります。

これが年々、売上高・従業員数を伸ばしているアクセンチュアの特徴です。もっと詳しく知りたい方は「アクセンチュアの強みについて語る」を参考にしてみてください。

もっと詳細にアクセンチュアの事業内容を理解したい人は公式の書籍を読むことをおすすめします。AIや金融、無人化、脱炭素化、教育などをテーマに最先端の技術がどのように活用されているかがわかりやすく解説されています。

IBMの企業概要

IBMは技術開発を重視していると私は就活時代に感じていました。

昔のIBMはPCなどのハード製品を作る会社でした。会社倒産の危機を経て、事業の軸をハードウェアからソフト(ITサービス)に切り替えて成功しています。例えば、現金のATM、フロッピーディスク、バーコードなど、世の中を支えるモノは60~80年代のIBMによって発明されたものです。

事業をハードからソフトへ転換した現在でも、技術を発明するという点においては力を抜いていません。事実、2019年時点で米国特許取得数は27年連続で1位です。6つのノーベル賞も獲得しています。

初任給をみても、データサイエンティスト>製品開発エンジニア>SE・デジタル・ビジネス・戦略の順に評価しています。専門性の高い人材を高く評価していることが分かります。また、アクセンチュアのようにSEだけ初任給が低いといこともありません。

IBMについて詳しく知りたい方は「IBMの強みについて語る」を参考にしてみてください。

もっと詳細にIBMの事業内容を理解したい人は公式の書籍を読むことをおすすめします。クラウド・量子コンピュータ・AIなどの新規技術や、保険・銀行・流通・教育・介護などの産業別でのITソリューションの実例について具体的に学べます。

アクセンチュアとIBMの違い

それでは、具体的な比較に移ります。

2社の面接では「アクセンチュアとIBMの違いは?」と何度も聞かれたので、就活生の皆さんはしっかりポイントを抑えておくといいと思います。

一言でいうと、

「IT技術を生み出すこと大切にするIBM」
「課題解決を目的としてITを活用するアクセンチュア」

と私は就活時代に感じました。

IT技術の開発力・研究力

IBMトーマス・J・ワトソン研究所

純粋に「IT技術を生み出す」点においての研究力はIBMがアクセンチュアより優れていると私は感じました。

先述しましたが、パソコン、ハードドライブ、バーコード、月面着陸時のソフトウェアなどはIBMによって発明・開発されました。現在も米国特許取得数は27年連続1位です。IBMは世界12ヶ所に基礎研究所を持っており、日々最先端の技術研究を行っています。

ハードからソフトへ事業を転換した現在でも、研究開発には引き続き力を入れています。

近年では、量子コンピュータ、コグニティブ、ブロックチェーン、クラウド、データサイエンスなど新たな領域に対しての研究を進めています。

例えばIBMはコグニティブ分野では「AIワトソン」、クラウド分野では「IBMクラウド」など自社製品を活用して顧客の問題を解決することができます。自社製品があれば、顧客の問題に対して、高い質と柔軟性を持って対応することができます。

コンサルや営業であれば最先端のソリューションを提供できる、SEや研究職なら最先端の技術に携われるのは大きな魅力だと思います。

SIerとしての開発力

Accentureアイルランドオフィス

「SIerとしての開発力」「顧客の問題解決力」という点ではアクセンチュアに軍配が上がると私は感じました。

※SIer: システムインテグレーション(SI)を行う業者のこと。顧客の問題を解決するITソリューションの開発・運用を担う。

コンサルが顧客の問題を洗い出して、ITソリューションを提供する点ではアクセンチュアもIBMも同じ役割を果たします。

例えば顧客の問題解決にクラウド導入が必要だとします。IBMは自社製品のIBM cloudを保有していますが、自社製品を保有していないアクセンチュアでも世界シェアNo.1のAWS (Amazon)やAzure (Microsoft)などの既存のクラウドを活用することができます。

顧客側からすると「最適なクラウドを導入してくれればいい」わけです。アクセンチュアは既存のサービスを顧客に導入することを非常にスピーディーに行うことができます。理由は大量のエンジニア(開発部隊)を保有しているからです。従業員の約半数(約25万人)のエンジニアと世界各地に50以上展開するデリバリーセンターを使って迅速にITサービスの導入する土台をしっかり築いています。

「顧客の課題」→「解決案」→「開発」→「サービス提供」までを一貫して行うことができるのはアクセンチュアの強みです。逆にIBMは自社製品を持っているが、コンサルから降りてくる案件に対して「開発」部分を外注することも多いそうです。

もともとコンサル業務を軸としており、開発部隊も大量に保有するアクセンチュアの課題解決力は大きな強みです。アクセンチュアのゴールはあくまでも顧客の問題解決です。そのために使えるIT技術をどんどん活用していくスタイルだと思います。

従業員数

従業員数でもアクセンチュアがIBMを上回ります。

strainerのHPより参照

2015年まではIBMの従業員数ほうがアクセンチュアより多かったのですが、2020年現在では逆転しています。アクセンチュアは50万人、IBMは35万人です。

アクセンチュアはデリバリーセンターの展開やエンジニアの獲得に力を入れています。先程、「SIerとしての開発力」でも述べましたが、コンサル業務に強みを持っていたアクセンチュアは、ソリューション開発力拡大に力を入れています。

職種による力関係

優劣の比較ではありませんが、IBMでは専門性の高い職種、アクセンチュアではコンサル系の職種の立場が強いと私は感じました。

IT技術を生み出すことを大切にするIBM、課題解決を目的としてITを活用するアクセンチュアの雰囲気の違いだと思います。

冒頭にも書きましたが、初任給の評価は

  • アクセンチュア
    戦略>ビジネス・デジタル>>SE
  • IBM
    データサイエンティスト>製品開発エンジニア>SE・デジタル・ビジネス・戦略

です。

もちろん働く上で、立場が違って働きづらいといことはないと思います。ただ自分がIT技術に興味があるのか、コンサルに興味があるのかで2社の優劣は変わってくると思います。

私は理系学生でIT分野への興味が強かったので、技術を重視し、SEの初任給も戦略・ビジネス・デジタルコンサルタントと差がないIBMの方が性に合っていると思いました。

人の雰囲気

あくまでOB訪問や選考過程で感じた社員の雰囲気の違いです。

アクセンチュアの社員のほうがハッキリ物事を伝える、結論ファーストな人が多いと感じました。

アクセンチュアにはThink straight Talk straightの文化があります。コンサル業務では物事をハッキリと伝える能力が非常に重視されます。コンサル業務から派生したアクセンチュアだからこそ、そのような文化がより重視されているのだと思います。ハッキリした物言いはアクセンチュアの社員からは何度も感じたので、そのような雰囲気が自分自身に合っているかどうかは確かめておいたほうがいいと思います。

逆にIBMは話の深堀りをする社員が多い印象でした。面接だけでなく、OB訪問などの何気ない会話でも「それってこういうこと?」のような話を深めるような会話が多かったです。技術を大切にするからこそ、物事を正確に捉えようとする姿勢なのでしょうか。

アクセンチュアとIBMの比較まとめ

いかがでしたか。アクセンチュアとIBMは似ているようで意外と違うことが伝われば幸いです。

まとめ
  • アクセンチュア
    • コンサル発
    • 課題解決を目的としてITを活用する
    • コンサルから開発まで一貫している(大量のエンジニア)
    • Think straight Talk straightの文化
  • IBM
    • モノづくり発
    • IT技術を生み出すこと大切にするIBM
    • 最先端の技術に強い、自社製品を保有

内定のためのアドバイス

最後に内定のためのアドバイスです。

企業研究のポイント

企業分析では、具体的なの数字(売上高、規模感)やサービスの固有名称自分の経験(OB訪問、インターン)を中心に集めましょう。説得力が増します。

「IBMは研究開発に強い!」みたいなイメージで物事を語っても説得力がありません。

「IBMは世界12ヶ所に基礎研究所を持っていて、コグニティブ分野ではワトソンに代表されるような高い技術力がある。最近ではワトソンは医療分野でも活用されており、、、」みたいな方が説得力ありますよね。

調べるだけでなく行動しよう

就活中は積極的に行動しましょう。OB訪問やインターンは学生から会社にできる唯一のアプローチです。例えばアクセンチュアならインターンからの特別選考もあります。私は特別選考には呼ばれませんでしたが(笑)

OB訪問で社員の人の雰囲気を掴むこともできます。また、「OB訪問で〇〇と伺いましたが、、、」とさり気なく伝えるだけでも、会社を本気で志望していることへの説得力が増します。

グルディスは本気で対策する

最後に一番大切なアドバイスです。

GD(グループディスカッション)対策は必須です。アクセンチュアもIBMもグルディスを通過できなければ、すべてが水の泡です。外資系企業ということもあって、GDではキャラの濃い学生がたくさんいます。みんな爪痕を残そうと必死です。

GDは自分だけではなく、周りの学生からの影響も受けるので必ず対策しておきましょう。キャラが濃くなくても正攻法で突破できます。私はGDが苦手でしたが「GDで発言量を増やす15のセリフ」を使って、100%GDは通過していました。あとは、MeetsCompany などのサービスでグループワークに参加して経験を積んでおくことをおすすめします。知識だけではどうにもならない部分が多いので、実践が大切です。GDが通過できなかったら、面接すら行けないので、本気で対策しておきましょう。

就活時期は数ヶ月しかありません。辛いことも多いですが、あっという間に終わります。この短い期間だけは大変なことにも積極的に挑戦していきましょう!「就活時期はフル回転だったなあ」と後でいい思い出になりますよ。

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