私が就活している時、IBMの強み、企業分析、他社比較に困りました。一流企業だけど、意外に特色を掴むのは難しいですよね。
とはいえど、「自分なりの企業分析、志望動機」がなければESは通らないし、面接官には刺さりません。
今回は私がIBMの説明会、2回のOB訪問、本選考、内定した経験の中で得た、日本IBMの企業分析について簡単にまとめたいと思います。
ちなみに私が内定した職種はITスペシャリスト(SE)です。営業やコンサル志望でも企業分析に活かせる部分があると思うので、ぜひ参考にしてみてください。
- IBMの簡単なイメージ
- IBMの強み、企業分析
- 内定するために知っておくべきこと
- アドバイス
IBMの概要
まずは簡単に企業概要からです。
ざっくりで大丈夫です。暗記する必要はありません(笑)イメージを持っておきましょう。
- 概要
米IBMの日本法人で、コンピュータ・ITのサービス会社 - 歴史
「昔」コンピュータなどのハードウェア系 → 「今」ソフトウェアやコンサルなどのITサービス- 60~80年代
PCなどのハードウェア - 1990年代
大型PCが時代遅れになり倒産しそうになる。ハードウェア事業を売却し、ソフトウェア事業に軸を移行 - 2000年代
システム開発、コンサル事業に舵切り - 2010年代~
クラウド、コグニティブ(AI、認識、言語処理)事業に注力
こうやってみると、超一流のIBMも倒産の危機を経験し、時代に合わせて事業の軸を変えていることが分かりますね。
有名な話ですが、現金のATM、フロッピーディスク、バーコードなど、世の中を支えるモノは60~80年代のIBMによって発明されたものです。
昔はハード(モノ)系、今はITサービス系と覚えておけば十分です。
- 60~80年代
- 売上高
ざっくり言うと、昔は1兆2000億、今は9000億円前後くらいが日本IBMの売上高です。IBM全体で9兆円前後なので、日本IBMは10%程度と大きな割合を占めます。 - 従業員数
IBMの従業員数は年をピークに少し減少傾向にあります。- グループ:35万人(2019年)
- 日本法人:非公開
IBMの強み
それでは本題に入りましょう。上で紹介した企業概要や年収情報、選考フローは就活サイトで調べれば出てくる情報なので大した価値はありません。
大切なのは「自分の視点での企業分析」です。自分なりの企業分析をもとに、志望動機を作ればESも通りますし、面接官にも刺さります。
私がIBMの説明会、2回のOB訪問、本選考、内定した経験のなかで感じ取ったIBMの強みについて紹介します。
「技術力」「技術力×コンサル」「制度」が私にはIBMの強みに感じました。
技術力
IBMの強みはなんと言っても技術力です。
SEはもとより、営業やコンサルでも、顧客に提案するサービス(技術力)の質が高いことが、顧客の問題解決に繋がります。
- ノーベル賞を獲得する研究所
IBMは世界12ヶ所に基礎研究所を持っています。研究によって6つのノーベル賞、6つのチューリング賞、20人の全米発明家殿堂、19のアメリカ国家技術賞、5つのアメリカ国家化学賞、3つのカブリ賞を受賞しています。2019年時点で米国の特許取得数は27年連続で1位です。このように民間企業最大の研究力を持っており、冒頭に説明したATM、バーコード、ワトソン人工知能など数多くの発明を行っています。SEであれば最先端のサービス・技術開発に携われる、営業やコンサルであれば質の高いのサービスを提案できるのは強みです。ちなみに日本にはIBM東京基礎研究所があります。 - 自社製品を持っている
IBMは技術力を活かした自社製品(※ワトソン人工知能、クラウドサービス、ソフトウェア)を持っているため、顧客が持つ問題や課題に対してスピーディーにソリューションを提供することができますし、保守管理も手厚く行うことができます。「クライントの成功に全力」というIBMの経営理念に対して、確かな実力があると私は感じました。 - 時代の変革に対応できる
近年、量子コンピュータやブロックチェーン、クラウド、コグニティブ、データサイエンスなど新たな領域が進歩しています。急速に変わりゆく時代であっても、研究所の技術力を活かして新たな分野にも柔軟に対応していけます。IBMの概要でも書きましたが、大型PCが時代遅れになり、会社が倒産しかけてもソフトウェアやITサービスに事業の軸を切り替えて立ち直ったのも、確固たる技術力があったからだと思います。
※ちなみに、ワトソンとはIBMの有名な人工知能(質疑応答)システムです。2010年代から主力事業としているコグニティブ分野を代表するものなので、面接の前に必ず知識を入れておきましょう。SE、コンサル、営業問わず、面接や説明会、OB訪問で会話に結構でますよ。TV番組でワトソンがクイズの世界チャンピョンと勝負したことで有名になりました。最近ではワトソンが白血病の病名を10分で割り出して、患者の命を救ったと報道されています。
この本ではワトソンプロジェクトについて、そして人工知能の現状と今後の展望についても知ることができるのでおすすめです。
コンサル×技術力
上で説明したとおりIBMには世界トップレベルの技術力があります。ここにコンサル事業が加わるとどのような強みが生まれるでしょうか?
2回のOB訪問や説明会で実際に感じた強みを主に紹介します。
- 顧客の要望に即答できる(早さ)
顧客が抱えている問題や相談に対して「ウチならできます!」と即答できることが多いそうです。これは自社で開発・保有しているソリューションが多いIBMだからできることだと思います。 - 数多くの問題を解決できる(数)
上と近いですが、質の高いITサービスを持っているからこそ、数多くの問題に対して解決案を提案できます。コンサルの方いわく、クライアントの良き相談相手になることができ、やりがいを感じるそうです。 - 先進的なものをいきなり提案できる(鮮度)
量子コンピュータやブロックチェーン、クラウド、コグニティブ、データサイエンスなど新たな領域に対しても研究開発しているため、他社よりも早く、先進的なサービスを提供することができます。 - コンサルが営業もカバーできる
コンサルを行う中で、顧客の新たな問題や要望が浮上するので、新たなサービスの提案(営業)をコンサルタントが担うことができるそうです。
余談ですが、IBMはアクセンチュアとしばしば比較されます。私が面接を受けたときは「IBMとアクセンチュアの違いは?」と聞かれました。気になった方は「IBMとアクセンチュアの違い」を参考にしてみてください。
制度
働く上での制度にも良い点が多くありました。
- 研修、教育に力を入れている
入社してからの研修が4ヶ月程度あり学ぶ期間を持つことができる。入社してすぐに部署に配属されるIT会社もある中で、十分に学習期間を設けていることに好印象を受けました。 - 研修の内容
新人の研修ではSE、コンサルの垣根なく、Javaのコーディングを行うそうです。プログラミングの経験がない人には非常に役に立つと思います。また、コンサルだから技術面はやらなくていいというわけではなく、実際に技術的な部分を経験させる研修内容に、IBMの技術を重視する姿勢が感じられました。 - 転職しなくても研究、コンサル、SEに異動できる
IT業界では転職する人が多いですが、業務をしながら新たな就職先を探して、履歴書を書いて面接を受けるのは非常に大変です。ただでさえ、新卒の就活でも辛いのに(笑)IBMは研究、コンサル、SE、すべての職種で業界最高レベルです。職種転換を希望するなら社内で異動することが選択肢にあるのはキャリアの上で重要だと私は感じました。
内定するためのアドバイス
今回は私が就活時代に感じたIBMの強みをまとめてみました。
どのような職種であっても、世界トップレベルのサービスに携われるIBMは非常に魅力的だと思います。しかし、「質の高いソリューションの提供ができるからIBMが良い」と面接官に伝えても、ありきたりすぎて響きません。
何度も書いていますが「自分なりの企業分析と志望動機」が大切です。そのための第一段階として、「質の高いソリューション」を具体的に説明できなければなりません。
今回紹介した、「ワトソン」「基礎研究所」、「コグニティブ」、「クラウド」、「自社開発」、「ブロックチェーン」、「量子コンピュータ」…について、まずは知識を持つことが、技術力に強みをもつIBMの企業分析に直結します。そこに自分の経験やキャリアプラン、やりたいことを加えることで独自性と説得力を持った志望動機が生まれると私は思います。
今回紹介したIBMの強みが「あたりまえ」と感じる人は順調に企業分析が進んでいると思うので、積極的にOB訪問や面接に挑戦することをおすすめします。「結構難しかった」という人は、焦らずに知識をつけていくと企業分析につながると思います。
私の経験が就活生のみなさんの企業分析の参考になれば幸いです。
また、IBMが公式に出している書籍を読むと、IT業界の変革や最新の技術について理解が深まるのでおすすめです。クラウド・量子コンピュータ・AIなどの新規技術や、保険・銀行・流通・教育・介護などの産業別でのITソリューションの実例について具体的に学べるので非常に便利です。
最後にIBMの選考を受けるにあたってのアドバイスですが、グループディスカッション(GD)の練習は必ずしておきましょう。GDを通過しないと、面接にすら進めず、企業分析がムダになってしまいます。「GDを通過する絶対条件」でも紹介していますが、GDはポイントを抑えて、練習量をこなせば確実に通過できるレベルまでは持っていけます。練習したい人はグループワークが経験できるMeetsCompany などのサービスを使うといいですよ。
以上でアドバイスは終わりです。今回の記事が皆さんの参考になれば幸いです。就活がんばってください。